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bohemia日記

おうちハックとか画像処理、DeepLearningなど

ろくろの上に逆回転のろくろを乗せたら上に乗せた物は止まる? をほぼ実現させた

IoT

こんにちは。ぼへみあです。

1年半前ほどに、ニコニコ動画で、こんなネタが話題になってました。

ろくろの上に逆回転のろくろ乗せたらどうなるのか検証してみた

www.youtube.com

これは、右回転で回るろくろの上に、左回転のろくろを乗せると、回転が相殺されて、上に載っているものは静止するのではないか、という仮説を元に、実際にやってみたという企画でした。

f:id:bohemian916:20160521234242p:plain ねとらぼ

この動画の投稿者のわこう氏は、この件について、ろくろを製造している「日本電産シンポ株式会社」のろくろの専門家に電話で質問していたのですが、担当の奥山氏によれば、

①下のろくろは上のろくろの重さを受けて遅くなる
②重さが載った分、上のろくろと同じ電力で同じ回転数にならないので、そこまで細かい調整は難しい

とのことでした。 f:id:bohemian916:20160521235526p:plain

結果、調整せずに同じ回転数のろくろをそのまま載せた場合、上のろくろの回転に準じて物体が回るだろうという結論で、 実際に試した結果も同様でした。

そこで今回、ろくろに与える電力を制御することで上の物体をほぼ静止させることができたので、レポートします。

使うもの

ろくろ

簡易型の電動ろくろです。単一電池2本で動きます。 わこう氏の動画で使われていたものと同じです。2個買いました。 f:id:bohemian916:20160522021618j:plain

Mabeee

スマホとつながるIoT乾電池です。この電池を組み込むだけで、出力をスマホから制御できてしまいます。今回ろくろを制御するキモのデバイスです。

MaBeee(マビー)

f:id:bohemian916:20160522002102p:plain Engadjet

このように単三電池の形をしていて、中に単四電池を入れて使います。 f:id:bohemian916:20160522001641j:plain

今回Makuakeというクラウドファンディングで出資して届いたものを使っています。
製品化が決定しており、Amazonで予約開始しています。2016/6/30発売のようです。

作製

届いたろくろには、2段階の速度調整があるだけで、逆回転の機能がありません。
そこで分解して回路を変更します。(といってもほとんどやることがありませんでしたが)

蓋を開けてみると、とてもシンプルな中身でした。 f:id:bohemian916:20160522003647j:plain

回路図を書いてみると、速度切り替えスイッチによって、使う電池を1本か2本かを切り替えて速度を変えているだけでした。
f:id:bohemian916:20160522004742p:plain

使われているモータは極性がないタイプのようで、電池の向きを変えれば簡単に回転の向きが変えられそうです。

Mabeeeは単四電池を入れて単三になるのですが、ろくろで使われているのは単一でした。そこでアダプタを噛ませて単一になってもらいます。 f:id:bohemian916:20160522005321j:plain

これを電池ボックスに、元の向きと逆にいれると、本来プラスが入るところに平らなマイナス側を入れたことによって、電池と端子の間に隙間ができてしまって電流が流れませんでした。
f:id:bohemian916:20160522005458j:plain

そこで、単一アダプタをアルミホイルとテープで改造し、きちんと端子と接触するように改造しました。
f:id:bohemian916:20160522005751j:plain

これで反対向きに回るろくろができたはずなので、Mabeeeを入れて制御のテストをしてみます。 Mabeeeの公式iOSアプリの中に、レバーという制御方式があるのでこれを使います。 スライダーを上げ下げすることで、各電池の出力を制御できます。

youtu.be

あと、ろくろをそのまま乗せると、ろくろの回転部とふちの高さの差がないため、接触してうまく回らないので、適当に回転部の高さを段ボールでかさ上げします。 f:id:bohemian916:20160522011637j:plain

また、上のろくろと下のろくろを簡単にを取り付け、取り外しできるように、マジックテープをつけます。 f:id:bohemian916:20160522011746j:plain

これでろくろを接続すれば完成です! f:id:bohemian916:20160522012604j:plain
下が反時計周り、上が時計周りに回る予定です。

いざ実験!

というわけで完成したので、実験します。
今回、上のろくろに乗ってもらうのは、俺の嫁ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールちゃんです。 f:id:bohemian916:20160522012914j:plain
回すときは、飛んでいかないよう、テープで固定します。

それではやってみます。

youtu.be

出力MAXでは、上のろくろの回転に準じて回るので、上のろくろの回転数を調整しています。 人力フィードバック制御です。
前を向かせた状態で静止させようとして、いろいろ操作しています。若干揺れはありますが、ある程度止まっていると思います。

しかし、指でスライダーをちまちまコントロールするのは結構大変です。そこで、Mabeeeのアプリに搭載されている、スマホの角度で出力を制御する方法を試します。基本的に上のろくろの出力だけを制御できればいいので、傾きによって上のろくろの出力が変わるようにします。

youtu.be

さっきより操作しやすくなったせいか、より静止できていると思います。傾けるだけの操作は直感的でやりやすいですし、思ったより微調整がしやすかったです。

今後の課題

下のろくろが、回転し続けると明らかに回転数が落ちてきます。上のろくろがそこそこ重さがあるのと、電池ボックスの位置が中心でないため重心が偏り、本来回すはずの円形の陶芸粘土と比べてパワーを使っていると考えられます。
回転数が落ちてくると、その分上のろくろの回転数を落とす必要があるので、制御が大変です。また回転数が落ち続けるため、手放しで完全に静止することができませんでした。この問題を解決するには、下のろくろの電源を、電池からACアダプタに変更してしまうのがいいかと思います。

それでも、そもそも単一で動くはずのろくろを、単四でアダプタ噛ませて無理やり動かしてるので、上のろくろの電池消費による回転数ダウンは生じるかと思います。上のろくろは下のろくろによって回転するので、電源をコードをつなげるわけには行きません。よって完璧に手放しで静止させたいのなら、無接点給電を導入して、下のろくろから上のろくろに電力を供給し続け、回転に用いる電力を一定にすることが必要かと思います。

また、人力フィードバックではなく、赤外線か何か、非接触の回転センサを導入して、きちんとフィードバック制御させるのも一つの方法かと思います。

ろくろの上に逆回転のろくろを載せて、上のものを静止させる世界は、なかなか奥が深いようです。