bohemia日記

おうちハックとか画像処理、DeepLearningなど

最近のIoTって何なのか?

最近IoTという言葉がやたら流行ってるけど、IoTってなんだろう?と結構モヤモヤしてたりしてる。 同じ言葉使ってるけど、人によってなんか意味が違ったりで、何を指してるんだろうと。 そんなときに

andoo.hatenablog.com

こちらの記事を読んだのですが、少しIoTとはなんなのか考えてみたので、まとめてみたいと思います。

IoTとは

IoTを、インターネット接続ができるモノを作ろうとするメーカームーブメント、から考えてみたい。
昔から通信モジュール付きのマイコンや電子工作、機械工作などを駆使して、役に立つものを作っている人はいた。しかし割と高い専門性が求められ、一般の人や個々の技術のみを持つエンジニアにとってハードルが高かった。

それが、以下のようなIoTインフラが整備されててあり、開発のハードルが下がりつつある。

  • 安価な小型PCデバイス
  • 3Dプリンタなどのプロトタイプ作成環境
  • JavascriptといったWEBエンジニアに馴染みのある言語での開発環境
  • データを処理するクラウドサービス

これにより、個人開発者や企業を目指す人たちが活発にIoTデバイスを作り始めた。
またハッカソンやクラウドファンディングの流行で、以下の図のようなエコシステムが出来上がりつつある。

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個人開発者は、勉強会やハッカソンなどでIoTに触れる。特にWEB出身のエンジニアにとっては、現実のモノを動かせるという体験は刺激的だったらしく、どんどんIoTを生かした開発を行う。
またインターネット・WEB企業もこのブームを察知し、IoTで用いることができるサービスを提供し始める。AWS IoT, Windows 10 IoT, Azure, Bluemix, node-red, milkcocoa, myThings, IFTTTなど様々。こうしたサービスを将来普及するかもしれないプロダクトに採用してもらおうと、ハッカソンや勉強会の開催・協賛などを行い、認知度を高める。

IoTの段階

先の記事の方が、量産しないとIoTじゃない、とおっしゃってた。確かに分析してこそ価値が生まれることもあるけど、そのあたりは段階があるのだと思う。ざっくり図を作ってみた。

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作ったIoTデバイスが社会に普及するまでに、いくつか壁がある。趣味で作ってみたレベルから実用レベルに至るまでには、入念なバグ取りや保守性、安定性が求められる。プロトタイプから、日常生活でちゃんと不都合なく使えるレベルにするだけで結構大変だったりする。

さらにそれを少数の人に使ってもらうためには、コスト、大人数使用時の負荷、技術者じゃなくても使えるようにするインターフェイス、製造の外注など考慮すべきことが圧倒的に増える。もはや個人レベルでは難しい。

さらに普及の壁を乗り越えるためには、本質的に製品が受け入れられ、資金調達がきちんとできたスタートアップか、大手メーカーレベルでなければ厳しい。逆にここまで成長しないと、IoTインフラ企業は利益を得ることができないと思う。だからこそスタートアップ段階で支援してたりする。

思ってること

というわけで、IoTに関わってる、関わりたい人は、今自分がいるステージを認識して、次の壁を越えるように頑張ればいいと思う。もちろん全員が製品化したいと思ってるわけじゃないとは思う。そんなあなたには、おうちハック同好会がオススメ。いかにおうちを便利にするか、というところに価値を置いて活動してる。

どのステージにいるのか、何を目的にしているのかによって、その人が話すIoTの意味が異なる。初心者の人にとっては、ほぼ電子工作の意味だったり、えらい人はユビキタスみたいな意味で使ってたり、インフラ周りの人はデータ処理だったり。「人工知能」とかもそうだけど、バズワードってたくさんの人が使い始めるといろんな意味で使うようになるから好きじゃない。あなたの中の「IoT」ってどういう意味ですか?