bohemia日記

おうちハックとか画像処理、DeepLearningなど

おうちハックの失敗から学んだこと

この記事は、おうちハック Advent Calendar 2015の8日目の記事です。

昨日はsenyoltwさんのSiriで部屋中の家電を操作できるようにして未来のお部屋を作ってみたでした。僕もHomeKitがリリースされた直後に、対応機器ないじゃん!と思い似非HomeKitでSiriを使い制御したことがあります。 僕のほうは「電気つけて」という名前のアプリを作ってSiriで起動させた直後にIRKitで信号を送るネタでしたが、こちらの方はちゃんとHomeKitを中心におうちハックをされていて素晴らしいと思いました。

先日、自宅のおうちハックの現状という記事を書きましたが、今回はその失敗編です。 僕の家では、実際に使ってみて、便利なものが残り、使えないものは淘汰されるので、作ったけどうまく行かなかったり失敗したものがたくさんあります。今日は、そんな普段紹介しない裏側を紹介します。

寝てると突然照明が付く!

これはやられるとかなり厳しいです。夜中に起こされると、翌日に影響します。 起こされる原因には、3つほどあります。

GPS計測誤差によるもの

スマホの位置情報によって照明をONOFFしているので、位置情報がうまく取得できないと意図せず電気がついたり消えたりします。 以前こちらの記事にも書いたのですが、WifiなどをONにする、充電を忘れないなどを徹底することでほとんどなくなります。

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二酸化炭素濃度の上昇によるもの

二酸化炭素濃度が上昇すると、部屋が赤くなるようにしているのですが、これで起こされると本当に精神にキツイです。
想像してください、ふと起きると部屋が真っ赤に染まっている状況を

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夜の時間に発動しないように制限したいのですが、IFTTT, myThingsではできません。*1

なので絶対に二酸化炭素濃度が上昇しないように、ちゃんと空気が通るようにちゃんと換気して寝ます
僕のアパートは、古いせいか通気口みたいな穴がなく、相当換気性が悪い部屋なので、窓を少し開けて寝ています。
冬は寒いので、朝がつらいですが、逆にこれだけしないと健康に影響が出てしまう部屋だと気づくことができました。

湿度の低下によるもの

こちらも上記とほとんど同じです。特に冬場はエアコンを使うとあっという間に湿度が低下します。
夜中に発動しないように、濡れタオルをきちんと用意してから寝ます。

このように、普通はおうちハックでミスると生活が困るのですが、このケースの場合、おうちハックの失敗が健康的な生活習慣を身につけさせてくれました。これは面白い発見でした。

インターネットを止められ、とても不便な部屋になる

某フレ○ツ光を請求書払いで毎月コンビニで払っていたのですが、たまに忘れてインターネットを止められます。 すると帰っても照明をつけるのにも一苦労です。基本的に物理ボタンを使わない生活を実現しようとしているので、どうやってつけるんだっけ?となります。 エアコンも勝手につかないので寒いです。

インターネットが何かしらの原因で止まってしまうと一転不便になってしまう未来のスマートハウスの問題をいち早く経験できた気分です。
本当にインターネットって水道、電気と同じく重要なインフラになりつつあることを実感しました。

ちなみに某フレ○ツの場合、2ヶ月延滞で催促状が来て、支払い期限を2~3日越えると止められます。コンビニで振り込むと、すぐに復旧してくれます。 現在は、自動払いに移行したので、こういうことは起こりません。おうちハックをする人は、インターネット回線を止められると死ぬので、気をつけましょう。

体重計に乗る→照明がつく、が15分かかる

体重の記録をスマホで見られるかつAPIがあるWithingsの体重計を買いました。しかし毎日体重を計る習慣がなかったので、データが溜まっていきません。ちゃんと毎日乗らないと意味がありません。
こういった背景から、帰宅時に体重計にのることで、メインの照明がつくようにしたら、毎日体重計に乗り続けることができるのではないかと思い、試しに以下のレシピをIFTTTで作りました。

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新しい計測があったら、Hueを点灯させるというレシピです。

しかし体重計に乗っても、期待していたとおりにすぐ照明は付きません。 暗い部屋でしばらく待ち続けたところ、15分後に思い出したかのようにHueが点灯しました。 毎日帰宅して、15分間も暗い部屋で待ち続けるのは嫌です。

どうやら、Withingsの新しい計測を取得したら、というトリガーはリアルタイムで設計されていないようでした。 普通の使い方では、計測データをGoogle Driveのスプレッドシートに保存するとか、メールで送るとか、特にラグがあっても問題ない使い方を想定していたのだと思います。

他のデバイスでもそうですが、家の中の行動をトリガーに何かしらのアクションをさせる場合、ラグがあるデバイスなのかどうか気をつけてご購入ください

ちなみに体重計に毎日乗る問題は、myThingsの「一定期間計測データがない場合」というトリガーを使い、乗らないとFacebookに投稿されるというプレッシャーを自ら課すことで解決しました。*2

展示会に持って行ったHueが、僕の生活に合わせて色が変わる

少し前に、デジタルコンテンツエキスポという展示会に会社で出展しました。光り物の展示が映えるように、会場は照明を抑えめにした薄暗い雰囲気でした。なので展示物をちゃんと見てもらうために照明を持って行ったのですが、せっかくだから伝えたいイメージに合わせて色を変えたらいいんじゃないかと思い、私物のHueを持って行きました。

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設営のため普段より早起きして向かい、HueのWifiを設定して製品を照らしました。 開場し、製品の説明していると、突然ライトが緑に変わります。 そうです。その日はゴミの日だったのです。Hueは健気にゴミの日を教えてくれます

朝の10時になると、照明が消えました。本来出社している時刻なので、親切にもライトを消してくれます
もちろん製品は見えなくなります。

このように、普段使っているデバイスを他の環境に持っていくと、TPOに合わない行動をしてくれます。 ハッカソンや勉強会でデモをする用に外部に持っていく時は、そうした設定を解除することを忘れてはいけません。

なのでおうちハッカーに、「持ってるあのデバイス、ちょっと貸してくれない?」とお願いするのは、よく考えてください。 そういった設定を全て解除した上で渡す必要があり、また返却後に再びWifiを含む再設定が待っています。

最後に

紹介したとおり、おうちハックは自分の生活に直結する活動なので、高い完成度と不具合の少なさが重要です。 過去の自分への戒めにもなるのですが、「いろんな技術で家電を繋げて操作してみた!」というように作って発表して終わるのではなく、少なくとも自分の生活で使えるように完成度を高め、実用上の失敗経験を含めノウハウを共有していくことが大事だと思います。本当に使えるおうちハックを!

*1:この辺り、場所制限、時間制限などの機能があればとても使いやすいです。これがないから、自分でアプリ作ろうとしてたくらいです。改修に期待してます。

*2:このあたりmyThingsはトリガーの作り方がIFTTTより優れているところがあります。詳しくは明日記事を書きます